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 デザイナーズアイⅠ

 質の高いオリジナリティーを求めて

都内有数の高級住宅地の計画にチャレンジしました。兄弟3名それぞれが同じ大きな敷地の中にそれぞれ別棟に住み、その親御さんが地続きの少し地盤が下がったところに、皆仲良く住み、家族の絆を深めていくライススタイルを望まれているクライアントでありました。それぞれが違う要望もあり、難しい計画になると最初予想できました。

最初に、建築計画と敷地形状をよく理解することから始めます。建築計画に関しては立面の見え方、いわゆるファサードの美的構成をよく理解することが重要で、次に扉や窓、そして生活動線を分析提案することが肝心であります。次に敷地の形状の把握で、道路との接道部は平でありましたが庭部は1m程の高低差のある土地であったことで、意外と広い土地の割に広く感じないというのが第一印象でありました。

今回は4棟の別棟にそれぞれの生活圏と皆で共有できる広い庭の構成であり、配棟同士の関係やリズムも景観上重要なポイントでありました。(下完成イメージパース)

まず、打ち合わせで感じたことは、多量に出回っているメーカーの商品を極力使わずに、オリジナリティ豊富な我が家だけのデザインを望まれた事と、皆さんアメリカに住んでいた経験があるので開放的なデザインと日本の住宅のように家の周りに砂利を敷くようなデッドスペースを嫌い、芝生中心の開放的な住環境を希望されていて、自分もアメリカでの視察等で感じた住環境の憧れを思い出しました。(↓参考アメリカ住環境)

現地調査したところ、風致地区条例エリアで土地の極端な切り盛り土ができないことがわかるも、先方からは可能な限り平な土地にすることを希望され、擁壁で平なエリアを造成し、その先を地続きに見えるように同レベルのハードウッドによるスカイデッキとしました。当然高低差が発生するので危険防止に同じハードウッドでのフェンスを立ち上げ芝生とウッドと目隠しと安全策の一体化が実現しました。

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デッキと芝生.png

また、道路側から見えるポーチのデザインも庭に繋がるパティオのような空間と一体になるようにゾーニングし、両側に垂直に育つイタリアンサイプレス  とブルーパシフィックの植栽でヨーロッパのような雰囲気をデザインしました。その入り口にロートアイアンの門扉を2m超えの高さと幅4mでデザイン製作し、開放的ではあるが安全性と美的フォルムや重厚感、アイアンの手触りなど質の高いオリジナリティを表現してみました。

 

道路側には駐車スペース6台分を確保し、U字溝で作った車止めにライトを埋め込み、暗くなるとライン照明がくっきり映し出せるようにデザインしています。床材は班岩の石貼りで結構な面積でしたが、高級感を醸し出してくれています。石材の仕上げより下地作りの段取りが大変で、引っ越し時期もあり、限られた時間の中の工程管理は油断できな状況で、特にすきとり時の配管棟の問題やコンクリートの下地形成の問題など今思うと楽しかったですが大変な場面でした。 

ここでお子様達の棟が完成となり、次に地続きですが、1、5mほど低い土地にできる親御さんの棟の計画に移っていきます。こちらは本格的なリノベーションで擁壁や既存階段の活用と、裏のお子さん達やお孫さん達の出入りがスムーズで一帯の敷地に感じられながら、各棟のプライバシーを確保したいということでしたので、擁壁の表面仕上げと床の仕上げに石材をうまく使うことを考え進めていきました。特に階段のふみ高の違いが多く、そのことを意識させない工夫が重要で、そこで接する良い壁と同じ素材で立ち上げ部分を作ることにしました。その結果、かなり重厚でリノベーションを感じさせないステップのあるアプローチが完成しました。

玄関入り口横には大きなフィックス窓があり、そこから見える景色に昔からあった雪見灯篭とリキュウバイやブンゴバイを植え、アオダモの株越しにみせることで、洋風の中にちらっと和風の景色が一瞬楽しめる空間もデザインしました。ちょっと日本人ならではのホットできる情景です。


完成後は、お孫さん達が野球やサッカー、そしてプール遊びや家族が集まり外での食事を謳歌されているようです。

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 デザイナーズアイⅡ

インテリアのようなテラスガーデンへのチャレンジ

 

駐車場2台のコンクリートで囲まれた外構計画であったが、そんなの悲しいし寂しすぎるという奥様の一言からご主人が奮起して作り上げた涙の大作であります。約30坪の土地に住宅を新築中ですが、外構計画に夢がなく、一度相談に乗ってもらえないかという依頼から始まっていきました。図1

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yumeganai…

そこでの最初の出会いの感想として、奥様からの要望がどちらかというと主人がゴルフばかり行って子供の面倒を見ないなどのグチに近い物でしたが、少し落ち着くと、いろいろな希望される夢が見えてきて、最後に家族で楽しめ羨ましく見える外にもう一つの部屋のようなスペースが欲しいと具体的なイメージ提案を引き出すことができました。
お客様の思いを具現化していく重要な作業です。それは部屋内から見ても外にカフェがあるような素敵な庭ということで、ご主人とともに打ち合わせになると、少しご主人がそんなの作っても外から見えるし誰も使わないという現実的な話も登場していきました。しかし、ご主人に「今更家族が仲良く会話したりするのは望んでいるが恥ずかしく照れるので、そんなの無理」という世の家族持ちの男性が抱く何とも言えない悩みを自分だけに話されました。その本音の恥ずかしくて照れるを最大の要望として、家族が楽しく、ご主人の居場所も、奥様の外に景色を作るも実現できるように提案を進めていきます。

図2 図3

まず、庭と建物を共有する掃き出し窓の存在です。このままだと道路から丸出しで、掃き出し窓にいつもカーテンをしめることになってしまいます。ここは朝の輝く光と美味しい空気をいっぱい取り入れたい絶好のロケーションなのと、
駐車するスペースという機能をできるだけ消して、まるでオープンテラスのような入隅効果を充分高められるようなスペースを上手にデザインすることで、味気ないプロポーションにお化粧できると考えました。写真2

そこで、要望と問題点を整理し、しかも主役がご主人になる空間の提案をしました。コートヤードの提案です。
パジャマで新聞が読め、そこで料理も片付けもでき、お酒を飲みながら夜空を楽しんだり家族や友人と会話を楽しんだりもできるような空間、友人が訪ねてきても絶賛されるような見栄えのするもう一つの部屋のような空間提案でした。図4ボーナスルーム

まず、外部から見られないようにするのに、掃き出し窓からすぐにステップで庭の高さまで下りられるようにし、使う人の視線を下げる工夫をしました。そしてプライベートエリアの重要な目隠しウオールを設置し、中を覗かれるのを防ぐのと、閉鎖的に見えない程よい高さでしかも通風のあるウオールを作り、その中に人工芝の床と本物の植物と電気と水道の設備やライト、収納できるアルミの家具やテーブルセットを設置しました。写真3と図3

また、駐車スペースも車止めで長い陰影をデザインし、アプローチと駐車スペースを一緒のスペースに作り、振り分けの樹で機能を分けながら、一体のオープンスペースのような散歩している人に心地よさを感じてもらうコモンスペースのような空間も誕生しました。その結果、まるで室内から見える庭はおしゃれなカフェのようですし、外からは全くその空間が見えず、しかも通風をかねた穴の空いたレンガなどもあり、空気の澱みを無くし藪蚊の発生も防ぎ、なかなかお洒落な機能性のあるコートヤードの完成です。こんなところでお仕事できるといいなが最初のご主人の第一声でした。写真4

完成して半年後に奥様から電話がありお呼ばれしました。どのように使われているか楽しみでワクワク感でいっぱいになりました。まずはイスに自分と奥様が座り、本当に要望通りになりました。と褒められ少し良い気分でご主人やお子さん達とも話をしたいと思っていましたら、子供達が食材やビールやワインを運んできて、最後にご主人がホットプレートを設置し、一緒にビールを呑みながら、食材を焼き始めました。写真5

お子さん達は庭に下りるステップに座っています。

ご主人がポツンと言われました。ここで食事をすることがこんなに楽しく家族の会話がこんなに面白く、子供達や女房の周りで起きていることをこんなに知らなかったことに気がついたと私だけに話されました。

最後はご主人の自信作のマルちゃんのソース焼きそばでしたが、これがまた上手く、子供も奥様も終始にこやかで、駐車場一台分の空間でこんなことができこんな効果があることを確信し、思い知ることができました。

最後に庭に植っている植物の説明しました。ハウチワカエデやハイノキの話。そして地面の一部に植わっているスズランを差し、フランス人が好む香りを4月の終わりごろに咲くので、
玄関や家の中で香り姿をぜひ楽しんでくださいと説明しました。 写真スズランの写真と全体写真6

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